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中国高校生訪日団・善光寺参拝

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 6月26日、中国の高校生達が善光寺を参拝しました。中国高校生訪日団です。
 これは、両国の政府が日中友好協会(中国側は中日友好協会)に委託する形で数年前から行なわれている高校生交流事業。今年度は中国から4回に分けて850人の高校生が日本を訪れます。反対に、日本からは春と秋の2回に分けて200人の高校生が中国を訪れることになっているようです。

 6月24日に成田空港に降りた一行は、いろいろな行事をこなしながら東京に2泊。3日目に長野を訪れたわけです。
 朝、新幹線で長野に到着。歓迎式やオリエンテーションを経て、午後は企業参観と善光寺参拝。長野市の信濃毎日新聞社とみすずコーポレーションを2グループに分かれて見学した後、大門周辺に再集結しました。

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 今回訪日した高校生は、河北省、河南省、そして山西省の高校から選抜された成績優秀な生徒さんたちということです。中国の高校は6年制なので、年齢的には日本の中学生と高校生にあたります。
 パティオ大門の前や表参道の中ほど、計4台のバスから降りてきた一行はみんな明るくて、よくニコニコ笑います。てんでにデジカメやビデオカメラを持って、周囲の珍しいものを撮ったり記念撮影したりしています。
 善光寺へ向かうまでの間そこかしこで思い思いにすごしている彼らの様子は、なんだか純朴で大陸的、のびやかな微笑ましいものでした。

 彼らの住んでいる地域は中国の比較的中心地域にあたります。河北省は北京市と天津市をぐるりと取り囲み、その西側に山西省、南側に河南省があります。ひょっとしたら、日本でいうと関東地方から北関東、東海、甲信地方あたりのかんじだったりするのでしょうか。もっとも、国土が広大すぎて比較のしようもないと思いますが。

 善光寺御開帳のときに使う徳行坊の黄色いたすきをかけて善光寺本堂へ向かって出発します。途中、仁王門や山門では、今回の受入れを依頼された「平和を願う僧侶の会」代表の徳行坊住職・若麻績隆史さんに説明を受けながら、てんでに楽しそうにガヤガヤと進みます。

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 この時期に中国高校生訪日団が善光寺を訪れることになったのは、日中友好協会の働きかけがあったからだそうです。北京オリンピックの聖火リレーを辞退した善光寺に、オリンピックを悲願として聖火リレーに強い想念を抱いていた中国の若者達を呼んだのです。

 それは当然「騒ぎが起きると迷惑だから」辞退した善光寺なのではなく、「国家や民族を越えてひとりひとりが慈しみ合い理解し合う幸福と平和への理念」に従って動き、漢族もチベット族も等しく犠牲者を法要した善光寺だからです。そして、その理念が今どれだけ重要なものであるかということなのだと思います。
 しかるに、その受け入れを「平和を願う僧侶の会」に委託してきたのです。

 案内役を買って出た若麻績さんたちはこの日東京に行く予定が組まれていたのですが、その重要性を理解し、何が本当に大切なのかをわかっていない僧侶に善光寺の説明をしてほしくない、という気持ちから、2日前に舞い込んだ依頼にも関わらず引き受けたのでした。

 チベット対中国という単純な対立軸、事件性にしか反応しないメディアはほとんど関心を示さなかったようですが、今回のこのプログラムは、僕たちの未来が平和で幸福である可能性について少し明るい展望を提供してくれているように思います。

 チベットに対して直接弾圧を行なっているのは中国共産党政府です。それは批判されるべき野蛮で非人間的な愚挙ですが、それを止めさせる方法は中国共産党を批判することだけではないかもしれません。今回のように、イデオロギーを越えたところにあるプランに理解を示し承認するのです。僕たちは、ここにある本当の意味を考えるべきなのかもしれません。

 この数年、中国と日本の間で相互にネガティブ・キャンペーンが行なわれています。両国で同時に、互いの国に対する嫌悪感や恐怖心を植えつける強烈なキャンペーンが行なわれていることの不自然さについて、僕たちはそろそろ疑念を向けるときなのかもしれません。

 悪いのは本当に国家でしょうか。この子たちの住む国を忌み嫌って良いのでしょうか。

 本堂で法話を聴き戒壇巡りをして出て来た高校生達は、もう随分と善光寺に打ち解けた様子です。本堂前の広い庭でのびのびとざわめいて出発時間を待っています。
 ひとりの先生が記念写真を撮ろう!と言い出しました。全員本堂を背に集合です。今回の一行は150人くらいでしょうか、みんな素直にすんなりと集まります。みんな並んだところで、中央に徳行坊住職・若麻績隆史さんと白蓮坊住職・若麻績敏隆さん、「平和を願う僧侶の会」のふたりを招き入れて和やかに写真撮影。

 中国の高校生のみんなは、松代で一泊したあと、長野、諏訪、飯田、松本の4地区に分かれます。各地でそれぞれの行事を行ない、ホームステイしたり、その地域の高校と学校交流をしたり、そば打ちや観光地の訪問をして、週末に富士五湖巡りをしながら東京に戻ることになっています。

 ねがわくば、こうして訪れる高校生のみんなが、見当違いなくだらない反中感情によって嫌な目に遭ってませんように。ねがわくば、日本に住んでいる人々も自分たちと同じ、幸福を求め平和を願いながらそれぞれの街で暮らしているということに愛着と慈悲を覚えて帰ってくれますように。
 そして、利己的支配勢力の暴力によってこの子たちののびやかな笑顔が喪失されることがありませんように。

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【Ngene掲載:2008年6月28日】

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「Compassion」~チベットからの風~
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宮内俊宏

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音楽・文化・アートを柱に、社会が、おもしろく、少し幸せになるような、いろいろなことを試みています。

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