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歌って、いいなぁ

2010/5/19

 2010年5月19日、埼玉県越谷市弥生町3丁目。

 天気:暖かい湿気を含んだ強い風が、朝からずっと吹いていて、夕方は、早くから雨が混じり始めた。なんか、台風が来るかのような空模様。

 越谷は限りなく東京に近い。上野から荒川区、足立区、そのすぐ北が越谷。

 典型的な東京近郊の街のかんじ。四角い駅ビル、コンビニとマクドナルド、街路樹付きの大量生産ユニットをはめこんだような駅前ロータリー。明灰色のコンクリートでできた高架下には、数件のファーストフード店が並んでいる。
 街は新しい。駅の周辺数ブロックすべて、30年前は何もなかったんじゃないかと思える新しさ。急造された街。建造物ひとつひとつが3日くらいでできたんじゃないかって思える、安直な街だ。この街がここにある意義も特徴もなにもない。
 こんな街が、この東京の周辺にはやまほどある。もともとそこにあった地形や植生、歴史、動物たちや人々の暮らしなどお構いなしに、膨張する東京を当て込んで、頭上に舞い散る金を逃すまいと、大急ぎでつくった街。前後の見境なくつくった街は、早くも限界を迎えていて、ビルは空室だらけ。当て外れの街角。

 そんな、不自然に膨張した街でも、そこに住んで、がんばっている人々がいる。おそらく何らかの便宜的な理由でそこに住んでいる夥しい人口が流浪する街角で、その場所にエネルギーを注いで、がんばっているライブハウスがある。
 そんな、がんばっているライブハウスの6周年記念イベントがあって、夕方、電車を乗り継いで、初めて越谷にやって来た。大急ぎで乗継いできたんだけど、イベントは後半。残るラインナップは、竹原ピストル、今西太一、タテタカコ。すばらしいセレクションではないか。

 歌って、いいなぁ。

 そう思った。
 ピストルくんの歌を聴いた瞬間に、そう思った。
 みんな生きているんだ。そう思った。きっとどんな人も、いろいろな境遇にいる。どうあろうと、それでもみんな生きていて、これからも生きていくんだ。今西太一の濁声を聴きながら、そう思った。お金もないし、明るい展望もないし、困ったことだらけだけど、僕も毎日毎日、食べて、生きていくんだと思った。

 歌って、いいなぁ。

 この街みたいな、安直な音楽が蔓延する日本の社会で、音楽の価値が限りなくゼロに接近した現代に、竹原ピストルのような、今西太一のような、タテタカコのような、人間や社会、自分や世界のことを、必死で描こうとしている音楽が、どれだけ響くかわからない。けれど、それでも、この人たちは、自分の信じる歌をうたい続けている。

 歌は単なるなぐさみものか?音楽に何ができるか?
 けれど、音楽に救われた経験を持つ僕らは、こんな音楽に触れることで、どんな毎日でも、明日も明後日も、生きて行こうと思うんだ。
 やっぱり、音楽っていいなぁ。
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宮内俊宏

Author:宮内俊宏
音楽・文化・アートを柱に、社会が、おもしろく、少し幸せになるような、いろいろなことを試みています。

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